石積みの質問

これはケンに相談だ。ケンにもう一回メールするにはシンドイから、このブログで間に合わせるね。読んでるだろ?

御神木側の開口部を縦横3メートルのガラスを嵌め込むことにしたので、開口部の南側も崩して間口を広げ、下は地山の岩盤まで掘り下げ、基礎石を据えた。

 

下の写真は元の入り口だった石積みだが、土が挟んであるだけで、石灰もセメントも使ってなくて、チョン乗せしてあるだけだ。それでグラグラしてる。

崩した壁の断面だが、表面は面を揃えて土で目地どめし、中は土と石を放り込んだ感じだな。だから一旦崩し始めると、次々崩れていってキリがないんだ。

西洋の石造建築の壁が異様に厚いのは、そうしないと保たないからだという事が判ったよ!

それで俺が造る開口部は、石を縦横に組んでいって上部はアーチにしようと思うんだ。それで目地なんだが、モルタルが良いか、それとも石灰が良いかと迷っている。ケンはどう思う?それと組み上げていく壁と従来の壁の取り付けをどうしたもんかなあ、、、細かい石をただ土で挟んであるだけだから組みようが無いんだ!知恵を貸してくれ。

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ところでユウジ、今夕体を拭こうと思って蛇口を捻っても水が出なくてなあ、、、ここに来てからずっとタダで水使ってきたから、多分止められたじゃないかと思うんだが、、、明朝ピラールさんに訊ねてみるわ!

山奥だから水はタダかと思ったが、、、どうもそううまくはいかないようだ。

電気が無いのは何とかなるが水無しでは、、、ああ喉が渇いてきた!

 

今日も晴天

珍しく朝起きたら昨日に続き霧がかかっていない。「ヨシ、作業続行!」オット、その前に凹んだ台所の屋根を応急処置、、、そう言えばずっと応急処置やってるなあ〜俺の人生そのものが応急処置みたいなもんだわ!

応急処置やってる間に「だけどユウジは現場写真ばかりで、我が家の全景を見てないなあ、、、」という想いが浮かんできて、谷の向かい側に行って写真撮った。

小さい三角がテントだよ。と、見る見る霧がかかってきて又ナロガは霧の中に埋もれてしまった。やはり聖者?の住む山は人の目を避けるんだなあ、、、🤴

戻って、廃屋の内側に堆積している石を選り分ける。

崩れ落ちた石の中で使えそうなモノは選り分けておかないとね、、、石壁が脆いことは承知していたが、崩してみると残っている壁もグラグラで、こちらに石造は日本人が思っているようなガッシリしたモノではない。まあ強度で言ったら、日本の無筋ブロック塀の3分の1くらいのモノだろう。もしこれが日本に建っていたら、3年は保たないだろうなあ、、、震度2~3で崩れ落ちるのは間違いない。壁を崩した振動で、開口部の石垣が全部歪んでいる、、、これは相当積み直さなければならん!

でも家の中から見る御神木の姿は圧巻だよ!写真じゃうまく伝わらないが、、、

なにしろ幹周り5メートル、葉渡り14メートルの巨木だからなあ〜この凄さは此処で見ないと伝えようがないなあ、、、

それで考えた、、、これは変更しないと、、、それにオンドルはボイラーを使った温水床暖房にしようかと思う、、、どうも俺1人で全長20メートルの煙道を造るのは無理だと感じるのだ。悔しいかな石が持ち上げられない、、、ケンクラスの職人がいれば、俺がユンボで石を吊って、それを組んでいけるのだが、独りでは無理だ。

それで、オンドルは諦めて、床暖房にすることにした。それなら室内設計もかなり自由になるので、御神木をメーンに素敵な部屋にしたいなあ、、、。

 

玄関は東側にして、入ってきたら御神木が真正面にくる感じ、、、今写真に映ってる開口部を建物の中心にズラして、大きなガラス壁にしたら素敵だと思う。南側(写真右側)の壁も、平屋にするから半分くらい崩すし、そもそも歪んでいる部分を積み直すから、窓はもっと大きくできる。南側の景色もいいから、明るい部屋にできるよ。

ケンがお盆過ぎにやって来るので、その時、色々相談するのが楽しみだ。石を選り分けても、積んでおく場所が無くなったので、明日から崩れた壁を積み直していくことにした。シッカリした石を選んで積んでいけば、選んだり運んだりする手間も省けるからね。

明日も天気になりますように🙏

ユンボ横転

ユウジ、プッツリ音信無くて、何かあったじゃないかと心配したろう。

それが何かあったんだよ、、、ユンボを台地の上に置いて、廃屋の中から廃材を吊り上げて運んでいたんだが、欲張って大きな束にして釣り上げ旋回したら、荷重が重すぎてユンボが傾き始めたんだ。ちょうど真下に発電機がある場所だったので、慌てて右に振ったら台地の縁が崩れてユンボが横転しちゃった。

俺は弾みで前に投げ出され、ユンボより先に転げ落ちたので下敷きにはならなかったが、頭と腕を石に打ち付けてしまった。脳震盪を起こしたようでしばらくボーッとしてた。どうも口が甘いので、「これは血が流れているな」と、思って、鏡が無いからポケットにあったアイホンで自撮りした自分の顔を見たら、鼻と口から血が流れていた。

それでとにかくユンボを起こさないとユンボのエンジンがおかしくなってしまうと思って、横転しているユンボのアームにワイヤーをかけて、アームを曲げて車体を起こした。ユンボはなんともなかったので、安心したら、頭がクラクラしてきたので、テントに入って緊急お灸をした。

自撮りした時は腫れていなかったのに、それからブクブク腫れてきてなあ、、、もし動けなくなって、ピラールお婆さんが救急車なんか呼んだら最悪だから、一静にだけは連絡入れとこうと思って、気力振り絞ってチャット入れた。

しかしお灸はやはり効くなあ、、、翌日には、電柱建ての立会いがあって、これは此処に電気を引く為に、電線が通る土地の地主三人に、承諾書にサイン貰う集まりだから、行かないわけにはいかない、、、それでなるべく目立たないよう帽子を深く被って、手拭いでマスクして、杖ついてピラール宅まで行った。みんな俺の様子を不気味そうに眺めていたが、承諾のサインはすぐくれた。サインしなかったら何されるか判らんとビビッたのかも、、、因みに腫れあがった顔はアップしないでおく。全国から見舞金が集まり過ぎるとイケないからね!

今日ユンボに乗ったら、鉄パイプで出来ている二本の走行レバーが前に20センチくらい曲がっていた。パイプレンチで直したがが、俺が前に飛んだ時、走行レバーに当たって曲げたんだなあ、、、よくこっちが骨折しなかったもんだよ! 実際お灸には何度も助けられるよ。

それで今日は元気一杯、、、ストップしていた屋根と壁上部の解体作業を続行した。

下敷きにならないよう、壁にバンドを掛け、ユンボで引っ張る。

壁は轟音と共に崩れ落ち、モウモウの土煙

埃が収まると

二階部分はサッパリ無くなって成功だ、シビレルワァ~、、、しかし、実はこの壁の向こう側には台所があって、そこに石が落ちると台所が使えなくなるんだが、こんなもの手で崩してたら時間かかってしょうがないし、第一この壁の上でそんな作業してたら、俺が落ちてしまう。それで一か八かでユンボで手前に引っ張ることにしたんだ。

ドキドキしながら東側に回ってみると、大きな石は落ちなくて、屋根は少々凹んでいるものの、何とか保ち堪えていた。バンザーイ!

4日ほど休んだが、今日はその分取り返すほど作業が進んだ!

ナロガはスピード、スリル、サスペンスでスリーS満載のエキセントリックな生活だ。五感が緊張して快いわ!ユウジも快感生活しろよ。

 

死刑論

ユウジ、日本はここしばらく、オウムの一斉処刑と大雨のニュースでもちきりだったようだな。

オウムの死刑は制度がある以上やむを得ないとは思うが、俺は死刑を廃止した方が良いと思ってる。それは人道上とかいうモノじゃなく、終身刑の方が意味があると思うからだ。生き続けている間は内省する機会もあるわけだし、一生あの独房から出られないというのは、死刑よりも効き目があると思う。もちろん懲役だから、労働はさせられるしな。少しでも世の役に立つ労働をさせればいいじゃないか。人間やったことの後始末は、実際のところ、法が裁かなくとも本然の自分が裁くから、その点この宇宙は公平だよ。

ところでこのニュースに関連して、大雨の中、政権の連中が酒盛りしていたというニュースもチラリと出ていたが、、、もう日本は上から下まで狂ってしまったなあ、、、特に自分の署名で7人の処刑を決定した上川法務相が、処刑前夜に酒盛りに加わってガッツポーズの記念写真に納まっているのは、、、女性なのに完全にイカレてるな。

それを知った国民も羊のように従ってるんだから、、、日本が沈没してゆくのはしかたないな。

今の政権は若い人たちには人気があるとの事で、その理由は景気も保っているし、就職率もまあまあという事らしいが、それは日銀がセッセと円を擦って、株を買い支えているせいだから、こんなもの限界が来ればあっという間に俺の廃屋みたいに崩れ落ちるのだが、上から下までが「今だけ、金だけ、自分だけ」に陥って思考停止状態だからしょうがないなあ。

とにかく子供達だけは、独創性を養って、どんな環境にも負けない力を植えつけないといけないね。日本のニュースを見る度に、子供たちに日本の教育を受けさせてはダメだとつくづくそう想うよ。

それにしても、なぜこういう悲惨なニュースが流れると人々はテレビに齧りつくのか判るかユウジ、、、マスコミは視聴率の奴隷だから、悲惨な事件、猟奇な事件ばかり流す、、、それは視聴率が命題になっているからだな。で、何故マスコミが視聴率至上主義になっているかというと、視聴率イコール宣伝効果だからだ。視聴率が高くなければ、広告を打っても商品が売れない、、、それではスポンサーがつかない、、、つまり金だな、、、テレビ番組の質が落ちる一方だと云われているが、それは視聴者がアホだからだし、アホの視聴者は広告を信じてモノを選ぶ連中だから、スポンサー企業はどんな愚劣な番組でも、視聴者が多ければ喜んで金をだす、、、

話が飛んだが、人が悲惨な事件を見たがるのは、対岸の火事に快感を覚えるのと同じ作用だよ。人間の身体は無数の原子の粒が寄せ集まって出来ているわけだが、この無數の粒を寄せ集めているのが本然の自分なんだ。

人はこの寄せ集めている力を強く感じる時、快感を覚える、、、つまり生きている(身体的に)実感を感じるわけだ。だから人は安全な状態、つまり対岸の火事に快感を覚えるわけだ。

しかし一方で人は危険な状態にも快感を感じるのだ。何故そうなるかと云うと、人は危険な目に遭うと、自らの生存を守ろうとする、、、つまり原子の粒がバラバラにならないように引き締める意志が強くなるんだ。それは生きている実感だから快感に繋がるのだ。だから人は非常に安全な状態と、その反対に非常に危険な状態の両方に快感を感じるのだよ、、、実にところこれも幻想だがね。

 

モッコ作り

ユウジは「モッコ」という土木工事の道具知ってるか?知らないだろうなあ、、、、俺の幼少期頃までは、まだ一輪車もなくてな、土や石を運ぶには、厚地のズック布か麻縄で編んだ大きな風呂敷みたいなモノが使われていた。四隅に釣り上げる為の綱が付いていて、中に土や石を入れたら人夫2人で、担ぎ棒を使って肩に担いで運んだのだ。土木工事には必ず必要だった道具で、百姓の家には必ず常備してあった。一輪車が出て来たらアッと云う間に無くなったがね。しかし、今でもブロックや石をクレーンで吊り上げる時は、ワイヤーを編んだモッコを使うよ。

今、崩落した残骸から石板や折れた材木を運び出しているんだが、割れ残った石板はパレットに積み上げて、それをユンボで吊り上げてる。しかし小さく割れた石板も、細かい部分の穴埋めに使いたいんだが、小さなモノはパレットに積み上げても吊り上げる際、揺れで崩れ落ちてしまうのだ。それでモッコを思い出し、これを作る事にした。ホントはもっと太いロープで10センチマス目くらいに編んだモノが欲しいのだが、こちらにはそんな網を売っているところが見つからない。それでやむを得ず、タマネギの袋に使っているような、細かくて薄いネットを買って来た。これでも4重くらいに重ねたら、300キロくらいの石なら保つだろうと思ってね。

まずネットを1,5メートル四方に切る。

それを4枚かさねて、四隅に短く切った木片を入れ、それを包んで針金で縛る。

そこに丈夫なテトロン ロープを付けて出来上がり。

小さい石板はネットの中に、大きな石板はパレットの上に、腐った板は吊りバンドで束ねる。こうすれば掘り出し作業が一度で済むから合理的だろ。

吊り上げてみたらかなりGOODだ!これの倍入れても保ちそう。

アレコレ道具を作りながらの作業なのでなかなか進まないが、その都度工夫してやるのは楽しいよ。

タマネギネットは3メート×10メートルで1800円ほど。3枚作れるな!

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夜中に雨漏り、、、😂

昨日は夕方からドシャ降りで、早々にベッドに潜った、、、で、深夜小便がしたくなって眠い目を擦りながら足を床に降ろしたら、、、床はびしょ濡れ!

テントから突き出してる煙突部分から雨雫が流れ込んでいたのだ。慌ててバケツやタッパーを持って来て、、、

でも激しい雨は止まず、溢れるバケツは入れ替えなきゃならんし、床の水は雑巾で搾り取らなきゃならんし、寒いのでストーブに火を付けたら逆風でテントの中が煙でイッパイ、、、テントは布だから雨漏り直すたってやりようがない、、、もう夜明けまで奮闘して、、、疲れたわあ~

応急処置で

煙突に一輪車を被せたら、これがなかなか効いた!逆風も雨雫もピタリと止まったのだ。床に溜まり続ける水もドリルで床に穴あけて解決。アクシデント続きで応急処置が上手くなってなあ、、、もしかして俺は応急処置の天才になったかも、、、と自画自賛して台所に行ったら、ここもびしょ濡れ、、、驚いて天井見たら

屋根が崩落した時、飛び散った石片が屋根を突き破っていたんだな。こうなると独り作業は返って気が楽だわ。俺がいくら乱暴な仕事しても、誰も怪我する者はいないからな!

ユウジ、俺が寝惚け眼で駆けずり回っているのを見て笑っただろ。隠してもダメだ!まあおまえの云う通り、バチが当たってるといえばそうなんだが、、、なかなか業が深いよ俺は、、、、、まあこんなモンでカルマの解消になれば有難いと思わなくちゃな。

残骸片付け

今日は崩落した残骸の片付けだ。片付けると云っても、ユンボでバリバリ搔き集める事は出来ない。割れた石板でもある程度の大きさなら丁寧に扱えばまだ使えるし、折れた梁も2メートル以上あれば使えるからね。

手間はかかるが、一本一本釣り上げるより仕方ない。

西側の御神木の方向にある入り口は狭すぎてユンボが入れないので、北側の台地の上に乗って、そこから梁材や石板を外に出す作業だ。「もう落ちる心配は無くなったなあ!」と油断して石に挟まっている板を引き抜こうとしたら、尻餅をついて左肘を擦りむいちゃった!

「緊張、緊張」と気持ちを引き締めていたら、トイレに行きたくなった。用便を済ませて下をみたら、いつもの濃い緑色で銀光りしている黄金虫みたいな奴が、埋まっているウンコを掘り起こしていた。

こいつはなかなか力持ちで、かなり沢山土を掛けてもすぐウンコを掘り出して貪り食ってる。近くにハエがいるの見えるか?ハエは俺が土を掛けると諦めて何処かに飛んで行くのだが、最近は知恵がついて、黄金虫がウンコを掘り出すのを待っているんだ。観察していると、黄金虫はハエに腹立てているようで、掘り出し作業中にハエが背中に乗るとうるさそうに羽を震わせる!

朝から晩までウンコを掘り出して、、、この子達はホントウにウンコが好きなんだなあ、、、とつくづく感心したよ。

それでこんなに好きなのなら、食べ易いようにしてやろうと思って、今日のウンコには土を掛けないでおいたが、彼らは(もしかしたら彼女らかも、、、)新しいウンコのところに行かなくて、掘り出した古いウンコの方に群がっている。もしかしたら漬け物と一緒で熟成したウンコの方が旨いのかなあ、、、ユウジどう思う?

とにかくもうユウも居なくて俺1人だから、別に少しくらい匂いがしても台所からはずっと離れているから大丈夫。訪ねてくるのはピラールお婆さんだけだからな。お婆さんは何しろ豚と同居してるんだから俺のウンコくらい心配ない!

今日は妙に昆虫と縁があって、夕食を食べていると、チョット普通の蜜蜂より大き目の蜂が飛んで来て、食卓の上の梅干しが入った小壺の横に止まり、俺が食事を終えても何か考えているふうで、動かないのだ。俺が息を吹きかけても動かない。壺の中に甘いモノでも入っているなら解るが、梅干しを好む蜂とは、、、?

今、この辺りは遅い春といった感じで色々な野草が花を咲かせているので、蜂も沢山飛んでいるが、こんな哲学的な蜂は珍しい。側に蜂蜜の瓶の蓋を空けて置いて見たが、やはり梅干しの方に止まってる。

蜂の意識や黄金虫に意識はどんなだろうなユウジ、、、観察していて判る事は、黄金虫とハエに意識は明らかにウンコに向けられていたし、蜂の意識は梅干し壺に向けられていたという事実だ。その意識が彼もしくは彼女たちをウンコに向かったり、梅干し壺に止まるとうう行動をとらせているわけだ。

ウンコや梅干し壺に向かう関心とは何だろう、、、それは言葉を換えれば好奇心なんだな。他に対する関心だからな。多くの場合動物達のこういう行動は、食欲が惹起するものだと考えられているが、食欲が惹起する好奇心とも言えるじゃないか。つまりあれを食べたら自分はどう満足するだろうという想いがその行動をさせているわけだから好奇心だよ。つまり「意識」とはおしなべて他の事物に対する好奇心だと、俺はそのように思うのだ。

意識=他の事物への関心=好奇心

俺はこう考えているんだ。もし他の事物への関心が全く無くなったら生きていると云えるだろうか?それはいわゆる植物人間状態で、生きているとは言えないだろ。だから好奇心(意識)こそが生物を生物たらしめているのだ。

以前にも話したと思うが、生けるもの全てが他の事物への関心を糧に生きているのだユウジ、、、凄いと思わないか、、、仏語に「山川草木悉皆成仏」という言葉があって、仏教者はこれを「どんなものの中にも仏性が宿っている」などと解ったような講釈をしているが、おれは「どんなものも求道者だ」と解釈している。もっともこの言葉の作者がそれを知っていたかどうかは判らないがな。

ユウジ、繰り返しになるが生命とは意識で、

意識とは他の事物への関心で

関心とは好奇心で

好奇心とは他を知りたい心で

他を知りたい心は他を知る事で自分を知りたい心で

自分を知りたい心を求道心と言うのだ。

だから万物は自分探しの旅をしているのだよ。

黄金虫とハエと蜂の行動はそれを我々に教えてくれている。

それにしても、俺もブログマニアになって来たのかなあ、、、トイレを覗き込んで虫の写真撮ってるんだからなあ〜〜ユウジ!

命拾い

ユウジおまえ教えてくれたの?

昼過ぎ、廃屋の屋根が轟音と共に崩れ落ちた!

今日は朝から屋根の石板を運んでヘトヘトになり、昼頃チョット休んでまた続行しようとしたが、「あんまり無理すると腰が動かなくなるなあ、、、」という想いが浮かんで、ユンボのポールを外し、ユンボの台座(建物北側の盛り上げてある台地)を拡げる作業に切り替えた。側の崖面から土石を削り取って付け足していたんだ。そうしたら、多分ユンボの振動が引き金になったんだと思うが、突然屋根全部が崩落した。俺はユンボに乗っていたから大丈夫だったが、、、あのまま石板を運んでいたら、きっと屋根と一緒に落ちただろうな!

この残骸に中に埋まってお陀仏だったと思う。

イヤア、、、実に危なかったよ。台地を拡げ終わってちょうどユンボの位置が建物から2メートルくらい離れていたから、外側に飛んだ石や材木にも当たらなかった。

もう少し生き延びて精進しろという事かな?

そういえば、今朝屋根に登って石運びしている時、突然「無為」という言葉が浮かんでな。無為は老荘思想をひと言で表すものとされているが、俺はそれを解ったつもりでいて何も解っていなかったと気づいたのだ。

自分の為、人の為、世の中の為、とにかく我々は自分の行動に何か理由をつけて動くものだ。何かの為にやっているという想いが、「やりがい」を生み出している。だけどこれはやはり損得勘定してるんだな。「俺は◯◯の為に、、、」という想いの裏には大抵◯◯に感謝されたいという欲求があるのだ。だから老子は「為」を「無くせ」と言ったんじゃないかな。

ユウジ、俺はもう「為」を無くして働くようにするよ。多分そのために此処に来たのだと思う。俺が「子供の為」とか「求道者の為」とか口幅ったい事を口走ったらその場で注意してくれ。

ところでユウジ、俺はいつまで死ねないのだ?ちょっと疲れてきたんだけど、、、!

嬉しい便り

ユウジ、今日はとても嬉しい事があったよ。

もう十数年前になるが、お寺の縁でとても気の合う女性(T子)と知り会ってなあ。以来ずっと交流を続けていたんだが、その子は腎臓を病んでいてな、、、数年前に逝ってしまった、、、まだ40すぎの早逝だった。

その子にはひとり娘(A子)がいて、実は今朝そのA子から便りがあって「啞樵さんが私のお母さんの夢をひとつひとつ実現してくれるのが嬉しい」と書いてあったのだ。

俺とT子との親交は、お互い「人生の意味を求める」という共通の目標があっての事だった。ユウジも知っての通り、存在の意味を考えない人とは、話が通じないから友達になりようがない。だから俺の友人は全て存在に意味を求めるという共通点を持っているわけだが、その中でも、とりわけ彼女は特別深い縁を感じる女性だった。

俺が彼女と会う時は大抵A子が側にいた。母ひとり子ひとりだし、T子はおそらく長い命ではない事を察していたのだろう、溺愛と云ってもよいくらいA子を可愛がっていた。T子は俺のどんな意見にも素直に耳を傾けてくれたが、ことA子の事になると途端に独善的になり、俺が「愛と執着を取り違えるなよ」などと云うものならプンプン怒ったものだハハハ。

T子の訃報はスコットランドで知った。どうすることもできず、ただ後に残されたA子の事が想い遣られた。T子には立派な夫君がいて、もちろんA子は父親にも愛されていたから、血縁でもない俺がしゃしゃり出る幕ではなかった。葬儀にも行かず、耳にしたスコットランドでただ祈るだけだった。もちろん日本に居たとしても葬儀には行かなかっただろう。俺は本来葬儀という偽善が大嫌いだし、惜別の哀しみと祈りは独りで在ってこそのものだからね、、、。

それから数年、、、A子と俺は、T子が存命中何度も顔を合わせてはいたが、A子はまだ幼い子供で、俺とT子が話す内容を理解するはずもない。俺はA子にとってお母さんとわけのわからない話をする変わったお爺さんだったと思う。俺はT子が帰天した時、A子が理解できる歳になったらT子の思い出も交えて話したいと思って、せめてその事だけでも伝えたいと思ったが、如何せん、求道の交わりを余人に理解して貰うのは不可能な事で、特に俺の場合それが難しい事はユウジも想像がつくだろう。

それでA子の事は寂しく諦めていたのだ、、、A子はもう変わった爺さんなど忘れているだろうと思っていた矢先、突然連絡が来たのだ。もしかしたらT子が時空を超えて連絡してきたのかもなあ、、、ユウジ、今朝は本当に嬉しかったよ。

それで今日は気分良く仕事ができた。屋根の石板を取り除くと、軒先に厚い大きな角石が置いてあってな。これをあの崩れ掛かった壁の上で持ち上げる事は不可能だ。それで急遽以前作った「挟み」より大きな挟みを作った。

これなら幅のある大きい石でも掴めるぞ!

ほら、独りでも結構な大仕事できるだろ!

それと二階に「レナリの部屋」と「A子の部屋」というのを創ろうと思い付いたのだ。A子の便りで「ああ、幼い子でも真心の記憶は残るんだなあ、、、」と思ってな、、、きっとレナリの脳裏にも俺の存在が残っていて、いつの日か此処を訪ねる日が来ると確信したのだ。ユウジ、子供はいいな!

リュウ君が来る時は、急いで「リュウの部屋」と書いた看板を付け替えることにしようハハハ。

遺伝子組み換え

今日は、、、というか今日もかな、、、朝から雨と霧、、、

こんなに毎日深い霧に包まれる場所は珍しいなあ、、、外作業があるから恨めしいが、作業を諦めて、周囲を見回してみると、確かに此処は特別な地だと思うよ。

どんなに晴れた日でも朝夕の霧は必ずやってくるし、とにかくいつでも霧に包まれている場所なんて、、、高山の山頂にでも行かなければ出会えないからなあ、、、家が無いから大変だが、屋内をしっかり乾燥できる建物ができれば、此処は幻想的な素敵な場所になると思うよ。

雨が止まず屋根仕事は無理なので、昨日運んできた木材でテント内のベッドを作った。脚を長くしてベッド下に荷物を入れるスペースもできて、やっとゴタゴタしていたテント内がスッキリした。

スッキリしたといっても、男やもめだからこんなモンだけど(^∇^)

ところでユウジは「クリスパー」という遺伝子組み替え技術の事知ってるかい?

昨夜眠れぬままネットで遺伝子組み換えの現状を調べていて、その方面の先端情報を視聴した。遺伝子組み換えについては、漠然と遺伝子情報の鎖をハサミで切り貼りするようなモノと思っていたが、実際はそんな簡単なモノではないらしい。

俺も昨夜聴き齧っただけだから、技術的な事はうまく説明できないが、とにかくこれまでの組み換え技術は、組み換えたい遺伝子に向かって遺伝子銃を撃ち込み、それを100万回繰り返してやっと目的の組み変わった遺伝子がひとつ出来るというような、まあ、物凄い回数の実験を繰り返して突然変異を拾い出すというような技術だったらしい。

それがクリスパーという技術は10回やったら9回は成功するというから、ほとんど一回で作り出してしまうらしい。そして、あらゆる生物の遺伝子を意のままに書き換えることも可能になったらしい。

染色体の状態の内に、将来疾患を起こすような遺伝子を組み換えて、強壮な肉体や頭脳を持つ赤ん坊を産む事も可能になるらしい。

AI技術の進化とゲノミクス技術の進化は物凄いスピードで進むので、このふたつによって、人間社会は想像も出来ない局面を迎えることになるなあ、、、リュウ君やレナリが成人する頃には、それが現実となって襲ってくるだろう。今からそれを乗り越えられるような人間に育てなければならないなあ、、、。

此処をそれに目覚めた親子の為の場所にするぞ。