帰国1週間

帰国してアッという間に一週間が経った、、、帰国のチケットを取った2週間前から、大きく開いていた指の傷が段々塞がってきてね、、、今は1センチくらいまで縮まってきた、、、このぶんなら病院に行かずとも治りそうで良かったよユウジ。

これはUの遠隔治療と、俺の気分が治癒力を高めたんだと思う、、、遠隔治療については最初半信半疑だったんだが、怪我した当初は痛みで数日眠れ無くてね、、、それが日本のUにやって貰った翌日から痛みが薄れて眠れるようになったんで、俺もその効果をハッキリ認識したんだよ。

ナロガではモグサを当てる以外全く薬物は使わないし、酒消毒以外特別な治療はしなかったから、遠隔治療の効果をハッキリ確認できた。

写真の傷は指の半ばまで横に切れて、骨に沿って指先の肉が爪もろとも上に捲れ上がったんだ、、、出血が止まらないので慌てて指先をモグサで包んで竹布で固く巻いたんだが、、、うまくくっ付いてくれた!

 

ハグ里ではK夫人と子供たちが自然薯の皮を剥いて摺鉢で摺り下ろしてくれた、、、自然薯のトロロと熱々のおでん、それに好物のコロッケで久しぶりの日本を味わった、、、感謝感激!

一昨日は子供の芋掘り大会があって2、3歳の幼児を連れた若いママ達総勢70数名が集まりおお賑わい、、、

俺がここを出た頃は生まれたばかりの赤ん坊だった子が、もう片言を喋るようになっていてねえ、、、短い交流だったのに、再び抱き上げてみると表現できない繋がりのようなモノを感じてなあ、、、Iを支えてくれる仲間がドンドン増えているので嬉しいよ。

ところでユウジ、日本に来てこうやっておまえに便りを書いていて思ったんだが、ユウジはスペインにも居るし、飛行中にも居るし、今はハグ里に居るんだなあ、、、ユウジ、おまえは一体誰なんだ?

もしかしておまえは時間と空間を超えた世界にいるんじゃないか?

おまえを創っているのは俺なのか?

それともおまえが俺を創ってるのか?

帰国準備

帰国便が12日の朝マドリード発なので、明日(11/11)の深夜ナロガを出発しなければならぬ、、、2ヶ月留守するから多少整理していると、LEOが激しくまとわり付いてきてね、、、

どうも俺が出て行くのを察知しているらしい、、、そうなると俺も不憫に思ってね、、、冷蔵庫に残っていた野菜と冷凍してあった豚肉を全部入れて特製シチュー作ってやった、、、

ご馳走を前に「ヨシ!」という俺の許可をジッと待つLEO、、、なかなか健気だろ、、、食材全部入れて煮込んだら凄く美味しそうに出来たんだが、LEOの餌だからジャガイモも肉も洗わずに入れたから俺は喰えない、、、もう何も無いから俺はスパゲティーを茹でて醤油掛けて喰った!

たらふく食べて足元で昼寝するLEO、、、こんな贅沢も今日限りだ、、、

指の状態なんだが、肉が抉れた部分がなかなか癒えなくてね、、、ずっと血膿が出ていたんだよ、、、それが3日ほど前から収まってきて肉も少し盛り上がってきた、、、このぶんだと手術しなぅても治るかも!

何かに触れてあら傷にならんよう気をつけて帰るわユウジ。

朗報

雨風に封じ込められる毎日で、さすがに「もう降参や!」だったが、今朝は朗報が届いたよユウジ!

先日話したK氏から連絡があり、「隣地の地主が判明したので、電話で啞樵さんの事を話したら一位の木手入れする事は全く構わないし、啞樵さんに会いたい」という嬉しい報告だ。

先日の別れ際に、隣地の協力が欲しいと話しておいたので、早速探してくれたんだ、、、M夫人がやってくれたんだなあ、、、

隣地もナロガも元々はpereira村の一軒であるエンリケ家の所有だったらしいのだが、それをナロガと隣地に分割して売ったようだな、、、隣地の現所有者の名前の一部がエンリケだと書いてあったから、多分親戚筋じゃないかなあ、、、

写真は元々の地主だったエンリケ一家、、、ご覧の通り優しい知的な家族なんだが、隣地の地主に連絡したいと2度ほど頼んだが返事が無かったんだ、、、遠方らしく余り交友が無いようで俺も困っていたんだが、M夫人のおかげでうまくいきそうだ。

隣地は100坪くらいの小さな細長い斜面なんだが、そこに崩落した石積み家屋があり、イバラが生い茂っていて陰惨な状態になってる、、、ナロガも同じような状態だったが、、、隣地を造成したらホントに素敵な場所になるんだよユウジ!

「廃屋を処分して2本の一位の木を手入れして素敵な土地にしましょう」と、提案すればきっと快諾するんじゃないかと思うんだユウジ、、、そうなれば廃屋の石板をナロガの屋根に使えるしなあ(屋根石が足りないから密かにそれを期待してる)、、、とにかく俺の信条を理解する通訳者が現れてホント助かるよ。

続論語

今日も安富教授の論語講義を見ちゃったよ、、、もちろん俺は論語の原文を読み解けるような教養なんかないから、東大生向けの講義なんか解るワケないんだが、、、安富教授の奔放な視点が実に面白くてつい引き込まれるんだ、、、

一例を挙げると、彼は「私はひょっとすると孔子は字が読めなかったんじゃないかと思ってるんです」と云うんだよユウジ、、、

その点について彼の講義内容を俺なりに解釈すると、その時代の中国では初めて文字が出現したらしいんだ、、、それで国は統治手段として文字を活用し出した(つまり国家が行政を急速に電子化し出した現代とよく似た状態だな)、、、

安富教授の考察では「論語」はどうも孔子自身じゃなく弟子の聞き書きだと言うんだよ、、、じゃあ何故頭脳明晰な孔子が文字を覚えなかったか、あるいは知っていても使わなかったか、、、と云う事なんだが、、、孔子は言葉を文字で記録する危険性に気づいていたからだと思うんだよユウジ!

つまり真理は言葉や文字で伝えられるものではないと云う事だな、、、俺もそう云いながら今の感慨を文字を使ってユウジに伝えようとしているワケだがハハハ、、、でも少しマシになったのは、これを書きながら「伝えられない自分」を自覚している事かな!

孔子は子路に「自分が知らない者だと自覚した時、それが仁だ」と諭したらしいんだが、、、俺も『あの方』にそう諭された覚えがあるんだ(子路を俺になぞらえるのは烏滸の沙汰だが)

「文字が出現した古代中国」と「ネット出現した現代」を例えにしたのは俺の勝手な創作なんだが、、、

文字が無かった中国が、文字を使って統治し始めたら、それが革命的変化をもたらしただろう事は容易に想像できるなあ、、、しかしそれが人民を幸せにしたかどうかは甚だ疑問だなあユウジ、、、例えば皇帝が「民を慈しみなさい」と伝えたとして、「慈しむ」と文字にしてそれが果たして役人まで伝わるのかという問題だ、、、文字が無くて皇帝が言葉で命じた時とどちらがうまく伝わったと思うユウジ?

文明文化の進歩と逆行する人心の荒廃という矛盾はこのあたりから始まったのかなあユウジ、、、

俺たちは言葉や文字を使わない時代から人の奥底にあるモノを大切にしていかないといけないね、、、俺は膝に抱いたレナリに干し大根をしゃぶらせていて、レナリがひとしきりしゃぶったそれを俺の口に押し込むんだ、、、俺が口を結んでもグイグイ押し込んでくるので、仕方なく生暖かいそれを咥えていると、安心した様子で、またそれを自分でしゃぶり始める、、、全く無心の内に自他一体化する時間、、、それが言葉や文字に表せない「本質的ナニカ」つまり「仁」だと思うんだよ、、、だから仁という言葉もホントは自覚することなくそれを実践できるようになりたいなあユウジ。

論語

ユウジ、今日俺はチョット興奮してるんだ、、、ナロガは今日も風雨でね(まあ晴れたって動けないんだが)、、、それで安冨歩さんの動画を開いたんだ、、、そしたら「論語」の講義があってね、そこで孔子が弟子の子路に諭す場面の解釈があって思わず引き込まれたんだ!

なぜ引き込まれたかと言うと、俺が『あの方』と過ごした20年の間、『あの方』は折に触れ釈迦やイエスや老子の言葉を引用して俺の頑なな観念を壊そうとされたんだが、たまには論語の中の一文を使われる事もあった、、、それで論語を使う時は孔子を『あの方』御自身になぞらえ、弟子の子路を俺になぞらえた、、、なぜそうされたかと云うと、俺の元の名前は「四郎」だから、、、つまり「子路シロ」をもじって「四郎シロウ」に例えたワケなんだ、、、

子路は乱暴者で時々孔子に反抗して困らせたらしいのだが、実際俺も『あの方』を理解出来なくてしょっちゅう困らせたんだよユウジ、、、それで『あの方』が論語を持ち出して俺を諭す時は大抵俺が反抗を示す時だったんだ、、、

安富教授は女装の東大教授で有名だが、俺が彼を評価するのは全く権威というものに縛られない精神の自由を持っているからなんだ、、、これは学者としては全く稀有な存在だよユウジ。

話しが飛んだが、『あの方』が論語を使うので俺も論語を買って何度か読み解こうとしたが無学者の悲しさで全く歯が立たなかった、、、しかし今日安富教授の講義を視聴して、サッと閃いたというか、俺の思い込みが解けた感じがしたんだよ、、、

孔子は非常に単純明快な真理をいくつかの喩えを使って教えたわけで、それが論語なんだが、後世の学者はそれを理屈で解釈して非常に難解な「学問」にしちゃったんだなあ!

例えば「仁」という言葉だって、よくあれだけ解釈をこじ付けたもんだと感心するくらいたくさん解釈されているが、、、俺は仁を「観念(思い込み)を手放した心境」、、、言い換えるなら「3歳の童子に戻った心境」だと確信した、、、安富教授もそれに近い解釈を示されていて俺は独りで快哉したんだ、、、「小人閑居して不善をなす」というが、閑居する小人の俺に天がネットを使って喝を入れたんだなあユウジ、、、

それとねユウジ、今後俺が生きて行く上で指針とするものが見えてきたんだよ、、、実は今日まで俺は「公的に生きる」という考え方を持っていたんだが、それは俺の心のどこかにまだ善悪という一種の思い込みが巣食っていて、悪人である俺はなんとか人助けして償いしなければならないと思ってたんだな、、、でも実際そんな償いなど出来るもんじゃない、、、それでいつも心の挫折を繰り返していたんだ、、、

しかしこれからは何か行動する時、それが仁に基づいたものかどうかと振り返る事にした、、、残り少ない人生だがそうやって過ごす事にしたよユウジ、、、3歳の童子になってなハハハ。

 

停電

ずっと雨風続き、、、去年のブログを見たら、やはり11月と12月は悪天続きなんだなあ、、、指の怪我も癒着はしてきたんだが、少し整形しないと治っても指先が歪になって使い難くくなりそうなので、Iとも相談してしばらく帰国する事にしたよユウジ。

夜になっていつものように台所のコタツテーブルに座っていたら停電になった、、、

小さな蝋燭だけど写真に撮ると鮮やかな光点になるなあ、、、風雨の真っ暗闇の中の光、、、光は有難いモンだなあ、、、風雨が吹き荒ぶ中で蝋燭の光を見つめるのもナカナカおつなもんだよユウジ、、、

先日、日本に居る姪から連絡があった、、、俺が指を怪我したのを知って心配したワケだが、同時に義兄の一周忌の様子を動画で送ってくれたんだ。

俺は親類一同が法要後の食事をしている映像を見て、凄く奇妙な気持ちになった、、、俺は『死』というものが「意識の次元移動」と確信するようになって以来、葬式とか法事とかいう宗教的儀式が耐え難く滑稽に感じるようになってなあ、、、まあ寺を飛び出してスコットランドに渡ったのもそれが主因のひとつだったワケだが、、、その奇妙な儀式に俺より一世代若い息子や甥姪たちが神妙に集まっている光景が、なんだか次元の異なる不思議な光景に感じられてね、、、もし時間と空間の無い世界から義兄がこの光景を見たら俺のような感慨を持つのかどうかを想ったんだよユウジ、、、あの世界では時間と空間の制約は無いから、義兄の意識がまだ家族に向けられていれば、意識は瞬時に法要の場に来るだろうし、もちろん家族が義兄を偲ぶ事を喜ぶとも思う、、、でもなあユウジ、俺としては義兄の意識がこの物質世界から離れて自他一体の世界で真の自由を満喫する境地に在って欲しいと願うんだよユウジ、、、長い長い人類の歴史で、『死』という現象に奇妙な概念を与えてしまった結果が、今の数々の儀式なんだが、、、まあこんな事を云う坊主は俺ひとりだからなあハハハ、、、

義兄一家に限らずほとんど世界中の人々が家族を亡くせば嘆き悲しんで、何かしら宗教的儀式に慰めを求めるワケだが、、、『死』の実相を知れば哀れむべきはまだこの苦海を卒業できない残った人々で、祝福すべきは卒業できた人だということになると思うんだよユウジ、、、

かく申す俺もまだ卒業出来ずに嵐の中で蝋燭頼りにこの駄文を書いてるテイタラクなんだがハハハ!

珍客

先日「K」と名乗る日本人から突然電話が掛かってきてね、土曜日にナロガを訪問したいとの事だったんだが昨夜(木曜日)にまた電話が来て「明日金曜日に訪問したい」と言うんだ、、、まあ俺はヒマを持て余しるから「構いませんよ」と返事したんだが、、、屋内が掃除終わってなくて慌てたよ!

それで今日(金曜日)の11:00頃にKさんは初老の夫人を連れてやって来た。

風雨が激しいので台所に招き入れてストーブを囲んでジックリ話しを聴いた、、、K氏は61歳でスペインに来てから6年、M夫人は67歳、、、2人は結婚してないがカップルだ。

2人はスペイン巡礼の旅で知り合って意気投合し、ナロガから車で40分くらい離れたベガディオの街に住んでる、、、M夫人の方はかなり繊細な神経の持ち主で、俺が何を目的に独居しているかを話したら感激して涙ポロポロ流すので困ったよ!

K氏がかなりスペイン語を話すので、会話はスムーズだった、、、すっかり仲良くなってタラムンディ の村で食事しようという事になり、村の金物屋の前まで行ったらピラール一家とバッタリ出会ってね!

もうK夫人とPillar婆ちゃんが機関銃のように喋り出して止まらない、、、しきりに俺を見ながら喋ってる、、、まあ考えてみればピラール一家も俺の事はほとんど知らないが、K氏とM夫人は今日かなり俺の事情を話したから、両方が情報交換したようだ、、、みんな俺を見ながらフンフン頷いてた、、、それぞれがそれぞれの見方で「啞樵像」を創りあげてるんだなあと思ったらチョットおかしかったよユウジ。

この人種の異なる初老のカップルに「あなた方は何を探して聖地を巡礼するのか?」と尋ねたら「心の平安」と言うから「自分が何者かも知らないのだから不安が無くなるはずないでしょ」と云ったんだ。

別れる時、「また是非会いたい」と云ってたから、少しは俺の云う意味に気付いたかも、、、