年輪

1週間前「明日は雨が降ろうが風が吹こうが、明日は束柱を建てるぞ!」と書いたが、、、あんまり大口叩くもんじゃないなあ、、、あくる日から物凄い暴風が吹き荒れてね、、、昨日やっと収まったんだよユウジ!

それで今朝からやっと束柱を組み立てた、、、接合部が腐らないようにまずホゾ穴にタールを流し込んで梁のホゾ穴に束(ツカ)のホゾを差し込む

少しキツめに加工してあるからスンナリは入らない、、、グラグラしてるから倒れないうちに上から大ヅチで叩き込む、、、

ガンガン打ち込んでいくと束はガッシリ食い込んでいく

どうだい、、、まだまだ若いモンに引けは取らんぞ!

ところで梁の上に乗っていてフト「この松丸太はどれくらいの年齢かな?」と思ったんだよユウジ、、、それで切り口の年輪を見ようとしたが壁に埋めてあるから見えない、、、元々は15メートルくらいの長い樹だったから、下に落ちていた先っぽの部分の年輪を数えたみた、、、

測った部分は根元から10数メートルくらいで20年だから、多分40歳くらいの松の木なんだなあ、、、人間も40歳くらいで分別がついてくるから(最近はそうもいかないようだが、、、)松の木も40歳過ぎれば使い物になるんだと妙に納得した。

これは玄関を入った横手に飾りも兼ねて建てた柱なんだが、、、この樹は木肌も葉っぱも椿によく似た樹木なんだが非常に硬いので多分俺くらいの歳だと思う、、、この樹と俺とどちらが分別あるのかと考えちゃったよユウジ。

ナロガのシンボルであるイチイの御神木は何百年も経っているだろうから樹という生き物の意識は、人間なんかより遥かに思慮深いだろうなあ、、、そう考えると粗末には扱えないなあユウジ、、、古材やこうして新しい材木を扱っているとつくづく想うんだよ、、、

これまで古材を使っていて、、、前にも書いたが樹というものはどんなに古い廃材でも、磨いたり加工したりすると再び蘇ってくるから、それで樹の意識みたいなものを確かに感じるワケなんだが、、、

最近は古材も底をついてきたので、梁や柱は森から切り出した新材を使ってる、、、それで森から伐採して、、、皮を剥いて、、、削って、、、加工して、、、生物学的に云えば確かに樹としての生命は絶たれたに違いないんだが、、、しかしやはり生きてるんだよ、、、その樹を何に使うか、、、どんな扱いをするか、、、どんな加工をするか、、、どんな気持ちで接するか、、、古材も新材も、、、ホントにその度に異なる顔を見せてくる、、、100年、200年経った古材でも、昨日伐採した樹でもそれは変わらない、、、ユウジ、俺は古材や新材を使ってアレコレ作っているうちに、どうも人間が思い込んでいる「死生観」はトンデモナイ勘違いじゃないかと思うようになったんだよ。

ナント云ったらいいか、、、樹木だけじゃなく人間も含めた全ての生命体は我々人間が考えるような「個的存在」じゃなくて、全体が繋がった「永遠の変化」の現象、、、ナンカそういうようなモンじゃないかと想うんだよユウジ。

俺は今日松丸太を使って石壁の上に梁と束を組み上げただろ、、、石壁は、石と土と砂と牧草が繋がり合って、、、その石壁は下の岩盤と繋がって、、、チョット離れて眺めると、、、それは正面の御神木と繋がってるだろ、、、俺たちはそれらを「家」とか「樹」とか「山」とか、、、個々別々のモノとして見る癖になってるが、、、コリャア錯覚というか勘違いというか、、、俺は独りで梁の上から周囲を見廻してボンヤリそんな事を想ったんだ、、、俺はヘンなのかなあユウジ、、、。

束柱作り

棟木は据えたが、壁までの間にもう一本づつ桁を入れないとならない、、、それで束柱を3本づつ計6本の短い束柱を作った。

残っていた松丸太の先端をつかう。まず皮をむいてザッと磨く。

棟木据へで散々苦労したから、慎重に計測して狂いの無いようホゾ加工。

棟木の場合、チェーンソーで加工したらマズかったので、今回は丸ノコで正確に切断、、、

かなり直角に加工できたぞ!

明日は3本の桁にホゾ穴を開けて、、、雨が降っても風が吹いても束柱を建てるところまでやるぞ!

 

やっと上棟式

ここ1週間ばかりは束柱建てと棟木の据え付け、、、10メートルの棟木をグラグラ揺れる束柱の上に据えるのに悪戦苦闘してね、、、束柱を固定してしまうと穴とホゾが合わないからなあ、、、バケットの先にパイプを取り付けて高さを延長。

それで棟木の重心で一本吊りして束柱の上に組み込む作業だ、、、強風の中での作業だから吊り上げた棟木は揺れるしなあ、、、ホント冷汗モノだった、、、

棟木も束柱も捻れてるから、慎重に計測したつもりでも合わせてみると切り込みに狂いがあって、チェーンソーで修正、、、写真だと晴天下に見えるが突風の中での作業だぞユウジ、、、命がいくつあっても足りんワア、、、

ユウは悠然と立ってるように見えるだろ、、、彼女に全体写真を撮ってもらう為バケットに乗せ、グーンとアームを揚げたところ、、、実態は高所恐怖症のユウが呆然と立ち竦んでる写真だハハハ!

明日は棟木の両端部分を石とセメントで固めればもう大丈夫、、、俺が乗ってる板は、垂木を打ち付けていく為の足場だ、、、これで危ない作業はやっと終了!

棟木作り

屋根の背骨になる棟木を作る

建物を縦に渡すから10メートルの長さが必要だ、、、残しておいた2本の梁材を繋いで使う、、、

でも縦横とも歪んでいてね、、、片面を直線に縦引きして修正したが捻れてるのはどうしようもない、、、束柱のホゾ部分を捻れ具合に合わせて加工しなくちゃ、、、厄介だなあ、、、ホトホト日本の材木が恋しいよ!

大きいたわみは一晩ユンボで押さえ付けて修正、、、

なんとかグネグネの梁材を繋いで、、、夕食は富山の手搗き餅、、、やはり売ってる餅とは違うなあ、、、俺の雑煮はシンプルにネギだけの味噌汁で餅を煮込む、、、あんまり具材が入ってると餅本来の味が損なわれるからなあ、、、でも煮込むと溶けてしまう餅ばかりでガッカリする、、、その点、富山のお母さんの餅は煮込んでもしっかりしていてウマイウマイ!空港では死にそうになって運んだ餅だからなおさらだハハハ。

 

 

いよいよ屋根の骨組み開始

昨日は風が吹き止まないので、海岸線を探訪した。

車で1時間弱の港町リバディオの近くに奇岩のある海岸があって、そこに行ってみた、、、遊歩道もあって夏場には良いピクニックコースだが、ほとんど海藻が見当たらないのはどうしてかなあ?

スコットランドの豊穣な海とは異なってプランクトンが少ないようだ、、、多分海水温度が低いせいだと思う、、、スコットランドの気温は年中低温だが海水は暖流が流れ込むので比較的暖かい、、、スペインは寒流が取り巻いているようだ、、、コルドバに住んでいた時も暑い夏に海に入ったら水が冷たくてとても泳げる状態じゃなかった。

海藻が無いと潮の香りもしないんだなあ、、、海に近づいても海の匂いがしない、、、魚は結構獲れるようだが、スペインの魚は何を食べてるのかなあ?

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今日は霧が深いが風はピタリと止んだ、、、さっそく上に上がって屋根の芯出し

ホゾ穴を開けて束柱を建てる準備はOK

日が陰り凄い霧になった今日はここまでだな

丁張り

風雨がなかなか収まらなくてね、、、それで四隅の壁の頂点に丁張りを測り付けた、、、風が強くて壁の上に立つとヤバいからユンボのバケットに乗って測点を付けていく作業、、、

両側の壁の仕上がり高を決めて、真ん中で屋根高を割り出す、、、そもそも壁自体が縦横とも歪んでるからなあ、、、積み上がってるところでまあまあの線を決めなきゃ、、、でも屋根の芯は両側の壁から等分じゃないと勾配もオカシナことになるからなあ、、、東側と西側では建物の幅が5センチほど異なる、、、これがスペイン、、、大雑把なモンダよユウジ!

俺の腕じゃ風を写真に写せないがゴーゴー吹いてる。

明後日から少し晴れそうだから、、、それまでノンビリやるよ

温室

今日も風雨なのでポリハウスの種まき準備、、、2ヶ月以上も水撒きしてないのに大根と牧草がガンガン繁殖、、、他の雑草もビッシリ茂ってるので、一旦全部引っこ抜いて牛糞をすき込む、、、

大根は使えそうなヤツだけ漬物に、、、

細根もふるい落として、牛糞をすき込む、、、牛糞はPillar家の長年放置されて完全分解されてるヤツだから全く無臭、、、

これでヨシ!

明日はタップリ水撒いて、一日経ったら種まきしよう。

 

屋内作業

今日も朝から風雨で外仕事は無理、、、で、丸ノコ台の修理。

去年の春、刃の周囲を囲うアルミ板がダメになって、プラスチック板を取り付けてあったんだが、軽いからこれがハネてね、、、それで手元が狂って指を切ったんだよ、、、だから今度は厚み5ミリの鉄板を加工して、、、

しっかりはめ込んだ、、、これでもう大丈夫!

日本からヨモギ蒸しのマントを持って来たので、即席のヨモギ蒸しをセットしてみた

コンロが大型トースターなので四角形、、それで鍋はオーブン用の陶器で代用

椅子は真ん中をくり抜いて、、、コンロが2キロワットと強力だから、汗もドンドン出て気分爽快、、、毒気を抜いて今夜はぐっすり!

2カ月ぶりのブログ再開

ユウジ、12月半ばからの2カ月は無茶苦茶に忙しくてね。午後8時頃になるとバタンキュウーで朝まで眠る毎日、、、とてもブログを書くヒマが無かった。

【あまのだし】は6年前【師】から授けられた秘伝の浄化調味料なんだが、製造に手間がかかる事と、作成者によって味が極端に変わる事から、ずっと量産に踏み切れないでいた、、、

手作りすると1キロの【あまのだし】を作るのに3日を要する、、、これじゃあ1キロの【あまのだし】が手間代だけでも3万円、、、材料費や諸経費も加えると100g袋が4千円にもなっちゃう!

それで【あまのだし】作成者として最適任者の「富山のお母さん」に、自家用分だけ細々と作って貰って、【はぐくみのさと】や系列レストランでのみ使用してきた。

調理には【あまのだし】のだを使うから、ここで飲食した人々は誰もが「お通じが良くなった!」と喜ぶが、何しろ造るのに手間がかかって自家用分にも足りない有り様、、、分けて欲しいと言われても困るワケで、、、それで【あまのだし】についてはこれまで説明して来なかったんだよユウジ。

しかし昨秋『i-chi』が【あまのだし】の量産化を決意した。

その理由は、子供たちの健康状態が酷い事だ、、、しかし現状で子供たちの口に化学物質を入れない事はほぼ不可能、、、それで『i-chi』は【あまのだし】で子供たちの排毒を促す必要を痛感したワケ。

その為には量産化と合理化で製造コストを下げなければならない、、、実際原価計算してみると、100g当たりの材料費は150円前後なのに加工費が300円もかかるんだ、、、i-chiの協力者が色々加工機を揃えて試作しているんだが、作業者の熟練度も大きい要素だし、何より作業者の人柄が重要なんだよユウジ!(調理人の意識が味に影響大だから、俺が食材に触るのは厳禁だハハハ)

1/12は俺が所属する浄土宗栖岸院の品愚上人の喜寿祝いだった、、、その引出物に供する為、無茶苦茶急いで量産化第一号(まだ試作段階だが)を届けたんだ。

【あまのだし】が間に合って寺のみんなも喜んでくれたが、俺は喜寿祝いの法要に出席していて何と言うか奇妙な感覚に襲われてなあ、、、、、、やはり俺には寺で祈る生活は無理だ、、、俺には死ぬまで行動あるのみだな、、、

 

【あまのだし】は1人が1カ月に1袋摂取すれば効果大なのでどんな家庭でも負担なく買える価格にしたい、、、一袋を500円で渡せれば理想的なんだが現状で500円まで下げるのは無理なんだ、、、ドンドン作業効率を上げて日本中の子供たちに食べられる価格まで下げるのが【あまのだし】プロジェクトの目標なんだよユウジ。

この2か月の量産化で最も苦労したのは機械と人的作業の取り合わせだ、、、『i-chi』は【あまのだし】が「世界一」を名乗るには、【あまのだし】に関わる生産者と消費者が幸せにならなければならないという信念を抱いてる、、、そうなると当然、生産者(つまり作業員)には充分な報酬を支払い、消費者には無理のない価格を設定しなければならんのだよユウジ、、これは3年前立ち上げた(株)貊村とも全く同じコンセプトで、由美子村長もこの信念を貫いて頑張ってるワケだ。

販売価格を抑えながら【あまのだし】の生産者に適正な報酬(時給1500円)を払うには当然作業効率を上げなければならない、、、だがこのプロジェクトで最も重要なコンセプトはそれは作る人の意識が楽しくなければならない事なんだユウジ、、、これがナカナカ難しくてなあ、、、勿論今携わっている3人は人物重視で選んだ人たちだから楽しく動いてくれるんだが、欲得世界とは無縁な人たちだからコスト意識はほとんど持ち合わせていない、、、一方俺とKENは建設業界で生きてきたから、何よりも作業の効率性には敏感だ、、、でも効率性ばかり追い求めると人間が機械に使われる状況になって、、、それでは楽しさが失われてしまう、、、実に難しい問題でなあ、、、

調理機械もそのまま使っていてはダメで、補助器具を考案したり組み合わせを工夫すると効率性はグンと向上する、、、楽に早く作業が進むのは俺やKENにとっては歓びなんだが、、、どうも女性陣にとってはそうでもないようだハハハ。

例えば製品の袋詰め作業ひとつにしても、製品価格を下げる為には1時間に何個こなせるかは決定的なだ、、、だからいつもどうやって効率を上げるか、、、材料の位置はどこが良いか?、、、容器は何が良いか?、、、道具は最適か?、、、いつもそれを考えて最適化を図るしそれが楽しい、、、でもそれを押し付けてばかりいると彼女たちの楽しさを奪ってしまいかねない、、、その辺が難しくてなあユウジ、、、

KENがいるから何とか量産化の見通しもたって、1/17日本を出た、、、

ナロガに戻ってみるとLEOはまた一回り大きくなって、すっかりPillar家の一員になってた、、、俺とユウは身体がガタガタ、、、10日余りは2人とも寝込んしまったからLEOはPillar家に入り浸り、、、ようやく昨日から動きだした。風雨続きなので屋内の片付けから始めてる。

昨日過去縁があったMちゃんという子の消息が耳に入ってね、、、それでこのナロガ建設の再開にあたって、道を求める若者が傷ついた心身を癒せる場所にしようと思ったんだよユウジ、、、まあ最初からなんとなくそうは思っていたんだが、御神木の周りを片付けていて想い新たに、、、そう感じた。

リンゴの芯ぬき

浄血と整腸の『せかいいちのあまのだし』は『誰もイジメない』をモットーとする食品だ!だから

◉社員には充分な給料

◉生産者には充分な対価

◉消費者には良品を安価に

を実現しなければならない。

それには作業の合理化と省力化が決定的に重要なんだ。それでリンゴの芯抜き機を作った!

これが優れモノでね、手でくり抜いていた時に比べ10倍速い!

今度は乾燥機だ。