8/13の午後、日本から、Shoさん、モモコさん、T君の3名がマドリード空港に到着・・・俺は10:00頃にNAROGAを出発して午後5時頃、待ち合わせ場所のホテルに到着・・・このホテルは五階建ての大きなアパートが4方を囲み真ん中のスペースにプールとテニスコートがある巨大な施設で、半分がアパートで半分がホテルという変な構造だ・・・新しくて大きいんだが、実に安っぽい施設でね・・・地下が駐車場になっていて、そこに車を入れてチェックインしようとしたら車両ナンバーを問われたので、再度地下駐車場に降りてナンバーを確認しようとした・・・大きな駐車場で駐車した時念の為駐車場所の写真を撮ったから安心・・・余裕で「Dー64」の位置に戻ったら驚いたことに俺の車が無い!
さすがに焦ったよユウジ・・・何度も写真で確認するが緑色の下地にD−6で間違いない・・・車から降りて無意識に歩いてから写真撮ったのかと思って駐車場全体を3度歩き回って確認したんだが、車が見当たらない・・・付近に居た掃除夫に「この下にも駐車場があるのか?」と尋ねたが「この階だけだ」と云う・・・もうヘトヘトになってね・・・
しょうがないから一度部屋に入って・・・とても外で夕食を摂る元気もなく、4人分の食料を買いに行こうとするがそれにはやはり車が必要・・・それで4人で再び捜索・・・やはり無いから地上の広場に出てプールとテニスコートの脇に同じような入口がもうひとつある事に気づいた・・・それで降りてみると全く同じ駐車場がもうひとつあるんだ・・・そこの64番に行ったら俺の車があった・・・全く同じ造りでオマケに下地まで緑色の下地・・・2つあるならフロントがそう注意すべきだし、ナンバー表示だって赤とか異なるモノにすべきだよなあ!
オマケに来客3人の内Shoさんだけは18日に帰るので、彼女の帰国便を確認したら欠航だと言われたとの事、慌てて別便を手配しようとしたが言葉が通じなくてホテルに来てしまった・・・日本のチケット屋と電話で交渉するが埒が開かない・・・ソンナコンナで散々な初日!
とにかく翌朝はNAROGAに出発・・・7時間ほどでNAROGA到着・・・やはり此処に来ると心が落ち着く・・・Shoさんもモモコさんも御神木を仰ぎ見て大感激・・・
Taramundiで町を散策・・・
この旅のキッカケはモモコさんの息子T君が予々「スペインに行きたい」と願っていた事、それでモモコさんがT君とスペイン行を計画し、それを友人のShoさんに話した事で3人がスペインに来た次第・・・Shoさんと俺は(株)貊村発足当時から親交があったのでNAROGAへも訪れたというワケだ・・・
T君に「どうしてスペインに行きたくなったの?どんな処に興味があるの?」と尋ねるが無言・・・19歳で専門学校に通ってると聞いていたので「どんな職種を勉強してるの?」と尋ねたらポツリと「鍼灸」と答えた・・・それで俺はハッとした・・・早速俺は自分がお灸で肝臓癌を克服した話しをした・・・ユウジおまえだってここまで話せばピンと来るだろ・・・無口で内向的な青年が無意識の内にスペインに行きたくなり、それが母親からShoさんへ、Shoさんから俺へと伝わって、鍼灸師を志す彼に俺の体験が加わる流れだ!
彼はアトピーでいつも顔や身体をボリボリ掻いてる・・・髪を簾のように垂れ下げて額と眼を塞いでる・・・だから俺は彼を見てすぐ思いついたんだ・・・まず垂れ下がった髪をバッサリ切って丸坊主にして、順氣粒と霊水だけで21日間丹田灸を施し、自分で自分のアトピーを治すべきだと・・・それを体験すれば彼は難病を治す素晴らしい鍼灸師になれる生涯最大のチャンス・・・彼が天から(本当の自分から)此処へ導かれた事は明白じゃないかユウジ!
でもなあユウジ・・・これはなんと言っても本人が気づかなければなければどうにもならん・・・それまでの経験で俺はそれがよく解っているから初対面以降決して俺が説得するのは控えたんだ・・・とにかく警戒させないように遠回しに「意識の力」やお灸の絶大な効果をT君じゃなくShoさんやモモコさん相手に喋って同席するT君の耳にも入るように努力したんだよ・・・でもT君は全く関心を示さない・・・自分が鍼灸師を志していながらお灸がアトピーを治す可能性に関心が向かないのだ・・・ポリポリ身体を掻きながらもアトピーを治す話が耳に入らないんだ・・・何故なのか解らない・・・でもこんな場合俺が面と向かって説得しても逆効果なのはよくわかってるからなあ・・・2日目で俺は諦めた・・・喉が渇いていない牛に水を呑ませるのは不可能だからなあユウジ・・・
NAROGA到着の翌日、モモコさんが友人から頼まれて、スペインに居る友人の息子に製麺機を届けに行った・・・製麺機の運搬を頼まれたモモコさんの友人の息子K君もT君と同じ19歳だが、彼はNAROGAから250キロ離れた海沿いのヒホンという街のラーメン屋で働いていた。
事前に聴いた話しでは、K君は13歳から日本を出て単身でプロサッカー選手を目指しながら外国暮らしを続けてるとの事・・・「気力のある若者もいるな」と思って俺も会いたいと思って同道したんだ・・・会ってすぐ解ったよ・・・ホントに日本人の若者にもこんな男が居るんだと嬉しくなるような男でね・・・でも早合点は禁物と自戒して彼の話をジックリ聴いた・・・彼はプロサッカークラブの練習生でアルバイトで生計を立てながらサッカーの練習を続けてる・・・相当の腕前らしく「俺はチームの誰よりも脚が早くて、必ずプロ選手になれる」と自信を持っているようだ・・・俺は彼がビジネスでも成功すると確信したが、それよりも人生の意味について彼なりに追求している事を知って嬉しくなったんだ。
でも過去の経験から期待し過ぎて落胆する例がほとんどだから俺は黙って彼の話に耳を傾けるだけで俺の意見は言わなかった。
俺が余り喋らないからか、彼はしきりに「僕は仏教に興味があるんです」と云うんだ・・・それをシツコク3回も云うので俺は「私は仏教に全く関心が無いんだ」と云ったやった・・・それで引き下がるかと思ったら今度は「貴方の家を訪ねても良いですか?」と云うから「まあ良いよ」と答えたら「明日行きます」と云うんだよユウジ・・・
それで翌朝250キロの遠道をラーメン屋の店長夫婦とK君の3名がやって来て翌日も楽しい時間を過ごしたんだ・・・さすがにここまで真剣に俺の話に耳を傾けてくれると俺も嬉しくなってね・・・作り置きの命豆70袋入り二箱を贈呈した・・・こんな若者を見るとやはり応援したくなるよなあユウジ・・・残念ながら与える金が無いから命豆を与えたワケだ・・・140袋あるから一個10€で売っても1400€にはなる・・・少しは助けてにはなると思ってねハハハ・・・
応急処置で手作りの巻き寿司を食べさせた・・・素人料理だがあのラーメンよりはマシだと思う・・・T君がチャンスに気づけなかった事は残念だが、その繋がりでK君が徳を拾ったワケだからこの一連の出会いも決して無駄にはならなかった次第・・・短い一期一会だったがその間に一連の因果の流れを見て面白かったよユウジ・・・この無人の山奥でも人と人との出会いで必ず原因と結果が様々な人生を創って行くんだなあユウジ。