若者の海外体験

ユウジ、以前「人は、其々の異なった知識と経験で創り上げた独自の位置から、其々独自の世界を見ている。という話をしたよな。

それは同じ空間に存在しながら、異なった立ち位置にいるからそうなる。それは上下左右無数に浮かぶ固定されたガラス玉のひとつに閉じ籠った人々が、円錐体を見て「あれは三角だ、やれ円だ、やれ涙型だ!」と言い争うのに似ている。この人達は動いた事がないから立体物を知らない。モノを輪郭で平面的にしか見た事がないから、自分が立体世界に住みながら平面世界しか知らないのだ。

円錐体を円錐体として認識する為には、このガラス玉から飛び出す必要がある。しかしほとんどの人は怖くてこのガラス玉を破ることができない、、、俺は今回俺を訪ねて来た2人の少年を見ていて、やはり若者は海外に出る事がこのガラス玉にヒビを入れる良い方法だと確信したよ。(ただの観光旅行ではダメだがね。)   成人してしまうと難しいが、若いうちはまだガラスの壁が薄いからなあ。

ピラールお婆さんに、通じようと通じまいと一向構わず話しかけれて、最初は困っていたが、そのうち言葉は通じなくとも、好意は伝わると知って、子供達だけで遊びに行くようになった。

昨日から年少のD君に、作業小屋の岩壁を削岩機で削らせている。岩壁の下部が出っぱっていて邪魔だからだ。大人がやっと持ち上げる重たい削岩機は、振動が激しく、大人でもこれを使うのは相当な重労働だ。

多分今の日本社会では、小6の少年にこんな作業をさせるなんて虐待だと言う者がほとんどだろうな、、、でも可愛さ余って頭ひとつハタかずに育てて、思春期になって引き篭もる子供の現状を見ろよ、悲惨じゃないか。あれこそが虐待じゃないか、、、俺はどんな小さな子供でも、仕事をさせる時は、実際役に立つだけの作業をやらせる。もちろん子供だから最初は好奇心に駆られてやり出すが、すぐ飽きてくる。それが単純作業だったり重労働だったるすれば逃げ出そうとする。しかし、そんな時は叱って続けさせなきゃダメだ。その辛さを知らないまま成人するとロクな大人にならないのだ。

この子の父親は、隣で石畳みの洗濯ハウスを1日で建ててくれた!この子はその隣で岩壁に挑戦したが2日かかっても岩削り作業を終われせる事ができなかった。口で言わずとも父親の力量をヒシヒシと感じたはずだ。

俺は明日もこの子に削岩機を持たせるつもりだ。一度手を付けた仕事は終わるまでやらせなきゃダメなんだよ。ユウジ、愛と執着を混同するなよ。焚き火ひとつ出来ない、戸棚ひとつ満足に作れない、、、そんな若者は露頭に迷う世の中が来るからな、、、。

楽しいことも苦労があってこその味わいだよ。

コメントを残す